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2019-06-27
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スーパーなどで購入可能な4つのスパイのみで作れるベーシックな北インドの家庭料理の作り方とポイントをシェアします。


インド料理と聞くと、バターチキンカレーやタンドリーチキンとナンを思い浮かべる方が多いかと思いますが、日本で、おうちではあまりお寿司や天ぷらを作らないのと同じように、インドの家庭料理もレストランの定番メニューとは異なります。

また、インド料理と聞くと、たくさんのスパイスを揃える必要があると思われがちですが、今日は、日本のスーパーで購入可能なガラムマサラ、ターメリック、クミンシード、赤唐辛子の粉の4つを揃えれば作ることができる、ベーシックな北インドの家庭料理をご紹介しながら、インド料理を美味しく作る基本ポイントもシェアしていきます。

なぜ北インド料理?

インド料理、と一言に言っても、日本で各地方の郷土料理があるように、インドの中でも地域によって使うスパイスや食材、調理の仕方が異なります。

特に大きく、北インドと南インドに分けると、北インドでは、ナンやチャパティなどの小麦粉のパンを主食とする一方で、南インドはご飯や米粉のパン類を主食として、ココナツフレークやココナツミルクなど、ココナツをよく使うのが特徴です。

前回の動画では、南インド料理を作る様子をお見せしましたが、南インド料理は、動画で登場したカレーリーフ、そしてスーパーではあまり見かけないブラウンマスタードシードが必要不可欠と言ってよく、特にカレーリーフは生のものが日本では手に入りにくいため、気軽に挑戦しにくいと言えるかもしれません。

一方で北インド料理は、ガラムマサラという複数種のスパイスを調合したスパイスミックスがよく使われますが、日本のスーパーでも普通に売っていますし、他にも身近なスパイスで作ることができるものがたくさんありますので、インド料理に初めて挑戦される方向けと言えると思います。

ガラムマサラについて

ガラムマサラは、スーパーなどでも気軽に手に入るスパイスミックス。何が入っているのか見てみると、いろいろなスパイスが書いてあります。

実はガラムマサラには決まったスパイス、決まった配合があるわけではなく、レシピは無限大にあるので、複数のブランドを試して違いを楽しんだりお好みのものを探すのもいいですし、インドの家庭でしているように、手作りするという方法もあります。

複数種のスパイスを揃える必要がありますが、作り方自体は非常に簡単。全てのスパイスを弱火で5分ほど乾煎りしてしっかり乾燥させて、ミルサーなどにかけて粉末にするだけです。手作りのガラムマサラは、やはり市販のものより香りも風味も強く濃いので、ご興味のある方は是非トライしてみてください。

ガラムマサラ(上から時計回り):
*コリアンダーシード大さじ4
*ナツメグホール1/2個
*ブラックカルダモン1個
*ベイリーフ3枚
*シナモン1本
*グリーンカルダモン大さじ1
*メース1個分
*八角1/2個
*クミンシード大さじ2
*フェンネル大さじ半
*黒コショウホール大さじ半
*クローブ大さじ1

いろいろなスパイスを揃えた時の保存法ですが、スパイスの中には香りがかなり強いものが多いので、匂いがもれない密閉容器に入れることをおすすめします。ガラス瓶は匂いがつかなくいいですし、空になった茶筒を再利用するのもいいですね。冷暗所や冷蔵庫で保存しましょう。

北インドの家庭料理

今日まずご紹介するのは、ダールカレー。インド、特に北インドでは日々の食卓にほぼ毎回登場する、日本で言うお味噌汁のような存在の豆カレーで、インドではシンプルにダールと呼びます。

ダールは挽き割り豆を指し、黄色いレンズ豆、赤いレンズ豆、緑豆、皮を剥いた緑豆、ひよこ豆などいろいろ種類がありますが、今回は黄色いレンズ豆と赤いレンズ豆をミックスして使います。

黄色いレンズ豆1/2カップと赤いレンズ豆1/2カップをよく洗い、15分ほど浸水させます。浸水しなくても調理は可能ですが、私は時間がある時はなるべく浸水させるようにしています。かぶるくらいのお水を加え、火にかけます。

にんにく一片はみじん切りに、トマト小2個はざく切りにして、お鍋が沸騰したら加えます。ターメリック小さじ1/2、赤唐辛子の粉少々、塩麹小さじ1を加えて、弱火で30~40分、お豆が柔らかくなるまで、必要であれば差し水をしながら煮ます。

赤唐辛子の粉は、インド食材店で「チリパウダー」を購入するのがおすすめですが、スーパーで売っているチリパウダーは、メキシコ料理などに使うスパイスミックスで全く別のものなので注意が必要です。インドのチリパウダーが手に入らない場合は、カイエンペッパーや少し粗びきにはなりますが、一味唐辛子を使っても大丈夫です。

お豆を煮込んでいる間に、玉ねぎ4分の1個と青唐辛子大半分をみじん切りにします。辛いのが好きな方は青唐辛子の量を増やし、辛いのが苦手な方は中の種を取り除くか、ししとうを代わりに使ってください。

フライパンにオリーブオイルを熱し、クミンシード小さじ1を入れ、クミンシードの色が少し濃くなりいい香りがしてきたら、玉ねぎと青唐辛子を入れ、玉ねぎが色づくまで炒めます。

お豆の鍋に全て入れたら、必要に応じて水を加え、さらに10分ほど煮込みます。最後に塩で味を調えれば完成。

私は粒が少し残っている方が好きですが、豆を潰してピューレ状にする人もいますし、水気を多めにしてさらっとさせる人もいます。お好みのダールに仕上げてみてくださいね。

次に、オクラのドライカレーを作りながら、インド料理を美味しく作る基本ポイントを3つご紹介します。

北インドでは、スパイスで調理した野菜のお料理をサブジと言い、オクラの他に、なす、大根、いんげん、ゴーヤなど、特にベジタリアン家庭の食卓には、身近な野菜のサブジがよく登場します。日本で野菜カレーというと、いろいろな野菜を入れますが、インドの場合は、基本的に野菜カレーは単独が多く、2種類以上の野菜を一緒に入れることはあまりしません。

オクラ2袋を適当な大きさに切ったら、油で火が通るまで炒め、トレイなどに出します。玉ねぎ1/4個をみじん切りに、トマト小1個半はざく切りにし、にんにくとしょうがはすりおろします。

①ホールスパイスで風味のベース作り

インド料理を美味しく作る基本ポイントとして、まず、油で丸のままのスパイス、ホールスパイスを炒めて、油に風味付けをします。ここでは、オリーブオイルにクミンシード小さじ1/2を加えました。

ホールスパイスは、クミンシードの他に、カルダモン、クローブ、シナモン、ベイリーフ、マスタードシードなどが使われますが、今日ご紹介するレシピは全てクミンシードだけで作るものになっていますのでご安心ください。

②炒め玉ねぎで味のベース作り

ホールスパイスのいい香りがしてきたら、2つ目のポイントとなる玉ねぎのみじん切りを加え、強めの中火で炒めます。インド料理の味付け自体は、基本的に塩のみの場合が多く、少し揚げたような炒め玉ねぎの旨味がインド料理の味の重要なベースとなります。玉ねぎが色づくまで強めの中火でしっかり炒めましょう。

玉ねぎが色づいたら、にんにくとしょうがのすりおろし小さじ1/2を加え、にんにくとしょうがのいい香りがしてきたら、トマトを加え炒め合わせます。

③ パウダースパイスで最終形に

そして、3つ目のポイントとなるパウダースパイスを加えて、最終形に仕上げていきます。ここでは、ターメリック小さじ1/2、赤唐辛子の粉小さじ1/4、ガラムマサラ小さじ1/2を使います。パウダースパイスもしっかり炒めて火を通し、食材にからめましょう。

塩こうじ小さじ1を加え全体が馴染んだら、オクラを戻し、炒め合わせます。最後に、必要に応じて塩で味を調えます。

ドライカレーは日本人はあまり馴染みがありませんが、後程ご紹介するインドのパン、チャパティーとの相性が抜群です。

次に、私が個人的に大好きなじゃがいものカレーをご紹介します。こちらは、若干汁気のあるカレーになりますが、基本的な作り方はオクラのサブジと同様で、3つのポイントを押さえながら作っていきます。

じゃがいも小3個は賽の目切りにし、玉ねぎ1/4個はみじん切りに、トマト小2個はざく切りにします。にんにくとしょうがはすりおろしておきます。

お鍋にオリーブオイルを熱したら、クミンシード小さじ1/2を入れ、色が少し濃くなるまで炒めます。 玉ねぎのみじん切りを加え、強めの中火でしっかりと色づくまで炒めます。にんにくとしょうがのすりおろし小さじ1を加え、にんにくとしょうがのいい香りがしてきたら、トマト、塩麹小さじ1、ターメリック小さじ1/4、赤唐辛子の粉少々、ガラムマサラ小さじ1を加えて炒め合わせます。

じゃがいもを加え、じゃがいもの頭が出るくらいのひたひたより少ないお水を加えたら、弱火でじゃがいもが柔らかくなるまで煮込みます。お好みでお水を足して汁気を持たせてもいいですし、汁気がなくなるまで煮込むのもありですよ。

オクラのサブジと入っているスパイスは同じなのですが、分量が違うので不思議と違った味わいのカレーになります。

最後に、北インドの主食、チャパティを作ります。インド料理の主食と言えば、巨大なふかふかのナンと思われている方も多いかと思いますが、北インドの家庭で日常的に食べられているのは、断然、全粒粉を使った平たいパン、チャパティです。インドではお店でも売っていますが、おうちで手作りする方が大多数なので是非挑戦してみてくださいね。

全粒粉2カップに塩小さじ1/4を加え、生地がまとまるまで、水1カップほどを少しずつ加えていきます。5分ほどかけてよく練ったら、湿ったふきんをかぶせ、30分ほど休ませます。

ピンポン玉くらいの大きさに生地をちぎってまとめたら、伸ばし棒で薄く伸ばします。ここで、できるだけ薄く伸ばすのが重要です。

フライパンを弱火でしっかりと温めてから、油を敷かずに生地をのせ焼き始めます。生地の際が反り返り、ぷくーっと小さな空気の穴が見え始めたら、ひっくり返します。ひっくり返した時に、薄く茶色の焼き目が斑点のように見えるといい感じです。

すぐに生地のあちらこちらに空気の穴が膨らみ始めるので、フライパンから出し、強火の直火でぷっくりと膨れ上がるまで焼きます。

中にポケットができているので、半分に切ってピタパンのように使ってもいいです。北インドのカレー、特にシンプルな家庭料理は、このチャパティーと食べるのが一番!

今回ご紹介したお料理はそれぞれ、私がインドでよく食べていた味をなるべく再現しながら、辛さなど私の好みにアレンジしていますが、ダールもサブジも家庭によって作り方は全く違うので、これが正解というものはなく、お好みの野菜で、お好みの味や辛さ、汁気のカレーを追求してみてくださいね。

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by
    • 東上愛子
    • 2019-07-03
    返信

    はじめまして✨
    UAE在住の愛子と申します。こちらでは塩麹が手には入らないのですが、インドのものはほとんどあります。何の変わりに塩麹を使っているのですか?ギーでしょうか?

      • TOKYO VEG LIFE
      • 2019-07-03
      返信

      こんにちは!塩こうじは塩の代わりに使っていますので、手に入らない場合は、お塩を使ってください^^

    • 東上愛子
    • 2019-07-04
    返信

    ありがとうございます。ドバイの小さなインド料理やさんが、大好きです。500円以下で朝食やランチが食べられます。南や北、ベジタリアンなど様々。南のカレーリーフが日本では入手困難と教えていただいたのですが、こちらでは気軽にスーパーで売っていますから今のうちにたっぷり味わっておきます✨こちらの動画を参考に自分でも作ってみます。

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