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2020-09-06
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今月のテーマ「declutter」を意識する中で、2019年3月に配信した「ミニマリストな生活を始めるシンプルなアイディア」という動画を振り返ってみました。

少しずつ身の回りを整理して、持ち物を減らしていきながら、独り歩きしがちな「ミニマリスト」という言葉を考えるきっかけになれば、と制作した動画。

ミニマリストとは?

みなさんは、ミニマリストと聞くと何を思い浮かべますか?家具が何もない部屋で生活する人?5着しか服が入っていないクローゼット?一セットしかない白い食器?これらのミニマリストのイメージに共通して言えるのは、物を極限まで減らしている、ということですね。

でも、実はミニマリストというのは、物を何個までしかもたない、ということではありません。ミニマリストに重要なのは、is this enough?つまり、これで十分かどうか?という問いかけです。

十分というのは、自分が幸せに感じられる生活を送るのに十分か、ということ。

Is this enough?

例えば、本が大好きでたくさん本を持っている人がいるとします。大好きな本に囲まれて生活することに喜びを感じているのであれば、ミニマリストを実践するためにそれを捨てる必要はありません。でも、全ての本に愛着があると思っていても、実は、本棚に入りきらない本が段ボールの中で山積みになっていたり、もう何年も手に取っていない本もあるかもしれません。

そういった生活の豊かさにプラスにならない上に、ああ、片付けないと、と無意識にストレスに感じてしまっているのに何となく捨てられないから残している、という物をなくしていくことが、ミニマリストのコアなアイディアです。

そして、もう一つミニマリストを理解する上で重要なのは、これで十分かどうか?という問いかけは、物に対してだけではないということです。例えば、飲み会に行って、少々飲み過ぎた上にもうお腹いっぱいなのに、付き合いや流れで〆のラーメンを食べに行って、翌日まで酔いや胃もたれが続くということがあると思います。

ミニマリストな生活では、物だけではなく、こういった体、そして心に取り込み溜め込むものも対象になってくるのです。

モノ

ミニマリストな生活を送るために、ばっさりと物を捨てる必要があると思い、無理だと諦めてしまう方は多いのではないかと思います。確かに、日本でまずごみを捨てるのは、曜日が決まっていてなかなか大変ですし、大量のごみであれば業者さんに頼んだりとコストもかかります。そして、何より、物を片付けるのは、時間と労力、気力がたくさん必要です。

大大的な片付けができれば素晴らしいですが、おすすめなのは、1ヶ月など期間を決めて、毎日、最低1個、生活にプラスになっていない、またはマイナスになっていると感じる物を手放していくことです。1か月後に、これで十分だと思えば、そこで一旦終わらせればいいですし、もっといけるな、と思えば、続けていけばいいと思います。

平行しておすすめしたいのが、捨てる物を買わない、捨てられなくなる物を極力買わないということです。私は以前は、洋服は安く買ってワンシーズン経ったら捨てればいいと思っていました。でも、捨てることを前提に買うと、選ぶのも適当になりますし、何より、のちのち片付けのストレスのもととなるごみを買っていることと同じことだということに気付きました。

では高価で長持ちする物を買えばいいのかと言えば、一概にそうとも言えず、高価なものほど、使わなくなったりあまり好きではなくなった時に手放せなくなったりします。なので、新しい物を買う時は、大きさや値段に関わらず、今既に持っているものも考えて、本当に自分の生活にプラスになるものなのか、じっくりと吟味して買うことが重要です。

我が家では、1IN1OUTというルールを作っています。私はほとんどショッピングをしませんが、旦那さんは靴やシャツが好きで、以前はファミリーセールに行ったりして、どんどん買っていました。今は、なにか1つ新しいアイテムを買ったら、1つ持っているアイテムを手放すというルールなので、買い物はよく考えて行いますし、既に持っている物についてもきちんと考えるようになりました。

食べ物

私たちは、毎日一日一回は食事をすると思いますが、普段食べる物についてどれくらい意識を傾けているでしょうか。

もうお腹いっぱいなのに、おかずが余ったから何となくご飯をおかわりしてしまった。小腹が空いたから、適当にコンビニでお菓子を買って食べた。気が付いたら、今日5杯目のコーヒーだった。一日で口にする物の中で、何となく、無意識に取り込んでいるものはどれくらいあるでしょうか。

私は、ヴィーガン生活を始めてから、自然と食料品に何が入っているのかチェックするようになり加工食品は普段ほとんど食べなくなりましたが、家で調理をする時も、塩、醤油、お酒、みりん、砂糖と、通常のレシピに従ってただ投入するのではなく、それぞれの役割、本当に必要なのかを考えるようになりました。

そのため、我が家には実は、お酒とみりんは置いていなく、砂糖も最近お菓子作りやコンブチャ作りを始めるまでは、ありませんでした。

特に、お昼が外食や買ったお弁当になってしまう方は、夜ご飯は、塩麹だけで炒めた野菜と炊きたての玄米、出汁もとらずに野菜だけで作ったお味噌汁など、シンプルな食事を試していただきたいです。

そんな質素な食事じゃ満たされない!と思われるかもしれませんが、「私にはこれが必要」と頭の中で考えているだけかもしれません。物と同じで、何をどこまで必要かは人それぞれ違い、試してみないことには、自分にとって何が十分なのかは分からないのではないでしょうか。

ノイズ

みなさんは、朝起きて、まず何をしますか?仕事から家に帰って、まず何をしますか?テレビをつける、スマホをチェックする、という方は多いのではないでしょうか。

毎日かなりの情報を取り込んでいるはずですが、今日この芸能人が結婚したというニュースは知っていても、今日これから食べるステーキがどのようにして生産されてどのような影響を環境に及ぼすかを知っている方は少ないかもしれません。

テレビ、インターネットの動画、SNSの写真を見たり、雑誌や新聞、ブログを読んで情報を得ていると思っても、吸収しているのは、いろいろな形での広告かもしれませんし、マイナスな効果ももたらすノイズかもしれません

この間テレビをつけたら、朝の情報番組で、ご近所トラブルのことをやっていました。最近とうとう逮捕されたという迷惑なご近所の方の暴言を録音したものを、繰り返し繰り返し再生、放送していたのですが、聞いているだけでとても気分が悪くなりましたし、なぜ全国放送で20分にもわたってそういったノイズを流す必要があるのか、理解に苦しみました。

もちろん、ミニマリストを実践するからと言って、テレビを捨てて、SNSを止める必要はありません。ただ、メディアの種類に関わらず、毎日無意識に取り込んでいる情報が、自分の生活や考え方を豊かにしてくれているかどうかに意識を傾け、too muchだと思ったら、電源を消す、アンフォローするなど、自分にとって十分なラインまでの線引きをすることが重要です。

人間関係

職場の人に誘われて飲み会に行ったら、職場の人のゴシップや悪口を聞いたり言ったりして終わった。女友達とランチをしたら、お互い彼氏・旦那さんの愚痴を言い合って終わった。

誰でも、そういった経験があるのではないでしょうか。

職場で気まずい思いをしたくないから、何となく話を合わせる、とか、友達に共感したいから、本当は彼氏のことが大好きだけど、とりあえず大げさに悪く言ってみたとか。

ミニマリストは世捨て人ではないので、人間関係を全て絶つということではありませんが、家に帰ってお風呂でリラックスする、ヨガのクラスに行く、図書館に行くなど、自分のために使える時間を誰かと一緒にいるために使うのであれば、その人と時間を過ごすことが自分の幸せ度にプラスになることなのかは、意識した方がいいでしょう

そして、プラスになっていないなと感じたら、お誘いの3回に1回くらいは断ってみるのがいいかもしれません。常に誰かと一緒にいた方が楽しいという方もいますし、幸せの感じ方は人それぞれです。自分にとって、十分なラインを探してみましょう。

「ミニマリストな生活を始めるシンプルなアイディア」を振り返って

一年半が経って、改めて動画の内容を振り返って思ったのは、「Is this enough?」という問いかけは意識的に行う必要があるということ。

気を付けていないと、あれも必要かも、これも必要かも、とポチポチしてしまい、特にコロナがあってからは、生鮮食品以外はネットで購入するようになって、購入に至るまでのハードルが低くなってしまっている気がします。

ただし、食べ物については、コロナの外出自粛がきっかけで、今まで必要なものと思っていた様々な加工食品を抜いていくと、どうなるのか、地元の食材や自分で加工した食品でどれくらい普段の食事をすることができるのか、そんな実験的な気持ちで、本当に必要なものは何なのかを考えるようになりました。

ノイズは、6月末に長野の山の中に引っ越したことで、都会にあるような「音」の量が減っただけではなく、街の中を歩いているだけで無意識に取り込んでしまう「情報」も激減し、その分、自分の声がよく聞こえるようになってきました。

自分と向き合う時間は、必ずしも楽しいことではなく、時として目をそむけたくなる過去を思い出したり、考えたくないことが頭に浮かんだりもありますが、それらをうまく隠すようにして思考を覆っていた「ノイズ」がそぎ落とされてきているのはいいことなのでしょう。

そして、人間関係。もともと友達が少なく、東京にいてもしょっちゅう誰かと会うということがあったわけではないですが、長野の山の中では、全く人の姿を見ずに一日が過ぎていくこともあります。

私にはそんな生活がどうも性に合っているようで、とても心穏やかに暮らしているのですが、一人でいても平気な人は少数派なのかもしれません。

「ミニマリスト」というライフスタイルも、どんな状況にある時に心が落ち着くのか、何があれば生活が満たされるのかをそれぞれが見極める必要がまずあるのかなと思います。

Is this enough?

自分にとって何が十分なのか、見つめ直してみてみませんか。

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